あれから2年、助産師になりました
ブログを書くのが久しぶりなってしまいました。
http://nanndemo.hatenablog.jp/entry/2017/09/25/230437
↑こちらの記事、2年経った今でもたくさんの方に見ていただいています。ありがとうございます。
あれから2年。
業務に追われる日々の中、忘れられないお産に立ち会ったのでここに書き残させてください。
入職して5ヶ月、やっと分娩に入るようになりました。就職してからまだ7人しか分娩介助させていただいてません。
そんなある日の朝、分娩室に出勤すると、痛そうに声を出している方がいました。
生まれそうな人がいるのかな・・・
そう思って、カルテを開くと
常位胎盤早期剥離による
IUFD(子宮内胎児死亡)
そう書かれていました。
お腹の中の赤ちゃんは、すでに息を引き取っています。
そのままお腹の中でずっと過ごしていると出血量が増え、母体の生命の危機に関係してきます。そのため、薬で陣痛を起こし、お産にするのです。
その方は、夜中に搬送されてきて、陣痛を起こしてお産に向かっている途中の方でした。
私はその方を受けもたせてもらうことになりました。
陣痛は、
普通のお産と変わりません。
痛く、苦しく、長い戦いです。
想像を絶する痛みです。
お腹の中で十月十日一緒に過ごし、
胎動を愛おしく感じ、
どんな顔かと想像し、
早く会いたい、
この腕で抱きたい
そんな希望を勇気に
ママたちはこの苦しみに立ち向かい、乗り越えることができます。
生まれた瞬間痛みなんか忘れる
そうおっしゃる方も多いです。
それが、叶わないのです。
そうと知って、
2分おきにくる想像を絶する痛みに
耐え続けるママの気持ち
痛みにのたうちまわるママを励まし続けるパパの気持ちを考えると
かける言葉がありませんでした。
ひたすら、腰をさすり、お尻を押さえました。
そして、お産になりました。
生まれて出てくるまでは、普通のお産と変わりません。
おぎゃー!!
その声がなく、代わりに、
やっとあえたね〜〜!苦しかったね。がんばったね。。大好き、大好きだよ〜〜!!
と泣きながら叫ぶママの声が
分娩室に響き渡りました。
だらんと垂れ、くったりし
産声をあげない赤ちゃんを両手でしっかり支えながら、
マスクの奥で涙がこぼれました。
お臍を切りながら、涙が止まりませんでした。
つい昨日までは
愛しくお腹で動いていた赤ちゃんが
突然亡くなってしまい
それでも立派に産んであげられた
私はその患者様にかける言葉もなく
一生忘れないと心に誓いました。
一生忘れられないお産でした。